日系メーカーに勤務しているジェイ(@Jay19878)です。31歳で海外駐在になり、現在はアメリカでプロジェクトマネジメントを担当しています。
海外駐在、海外赴任を少しでも検討している方は「海外駐在できる仕事・職種、海外駐在しやすい仕事・職種はどこなんだろう?」とふと疑問に思うことはないでしょうか。
日本企業は配属ガチャなんて言葉もあるように就職後、どこの職種(部署)に配属されるかわかりません。
そんな中で自部署が海外駐在に近いか遠いか気になっている方もいらっしゃるのでは。
自分は営業なんだけど海外赴任できるのかな?
ほかの部署に異動したり、もし難しいなら転職したほうがいいのかな…?
この記事では現アメリカ駐在員が今までの経験から海外駐在に近い職種に関する情報をシェアしたいと思います。
一般的に海外駐在は日本勤務時の1.7-2倍の年収がもらえるので積極的に手を挙げるべきですよね。
以下の記事に海外駐在員の年収にまつわる情報を公開しています。ぜひご覧ください。
結論
ズバリ、製造業の工場配属=モノづくりに近い部署が一番海外駐在になる可能性の高い職種です!
新卒で地方の工場に配属されてちょっと気を落としている皆さん。そうです。あなたたちが実は海外駐在の可能性が高い職種です。30代で年収1,000万円が目指すことも夢ではありません。
そもそも海外駐在員が多い業界は?
海外駐在員が多い業界(企業)はどこかが今後の説明で重要になってきます。
こちらについては詳細は別記事でご紹介しますが、就職四季報のランキングを見ると以下が多いです。詳細はリンク先の3ページ目以降をご覧ください。
- 製造業
- 総合商社
- 金融
- 建設
- 物流
とりわけずば抜けて多いのは製造業です。
やはり日本が世界に誇る製造業はその分海外に工場を持ち、現地で生産活動をしているからですね。
製造業の中でも多いのがトヨタグループになります。トヨタ自動車だけでなんと2,450名もの駐在員を海外に送り出しています。
ほかにもデンソーが1,330人、アイシンが500人、ジェイテクトが410人と続きます。
トヨタ系以外でも自動車に関連する企業が目立ちますね。
名だたる名門大学卒だらけの総合商社の入社難易度と比べると、海外駐在員になるには製造業が近道であることがわかります。
また製造業は海外駐在を志す人が少ない傾向にあり、社内競争率もそこまで高くありません。
一方、思いの外、金融や物流企業はランキングにそこまで多く入ってきません。
製造業と違い、海外現地スタッフでもある程度、業務を回せることが要因だと思います。
結論:製造業強し!
ではそれを踏まえて、ここからが海外駐在できる仕事・職種のご紹介です。
生産技術 – Production Engineer(製造業)
製造業のモノづくりの作り方を支える生産技術は海外駐在員が多いです。各海外工場最低1名は日本人の駐在員がいます。
製造する製品、部品、材料が多岐にわたるほど、製造・生産方法は異なるからです。
海外現地で生産はしていますが、生産設備を現地調達できている企業は少ないと思います。
もし現地調達できたとしても、現地で設備を手配する仕様決めには日本人駐在者の知識が必要不可欠になります。
モノの作り方=生産技術は日本から輸入されてくるからですね。
品質管理 – Quality(製造業)
安全・品質・コストと言われ品質はコストよりも重要です。品質管理の駐在員も各海外工場最低1名は在籍しています。
日常業務自体は海外現地スタッフで回すことが可能かもしれませんが、発生した品質不具合はすべて日本本社の品質保証部隊に伝達、検証される必要があります。
日本と連携するためには、やはり日本で日本のやり方の教育を受けた駐在員が不可欠です。
また品質トラブルの対処は一刻を争うケースが多々あります。
もし市場に不具合品が出回る一歩手前で問題を発見した場合、現地スタッフだけでは対応が遅れてしまい傷を広げてしまう可能性があります。
生産管理 – Production Control(製造業)
ある程度の規模の海外工場であれば生産管理を担当する駐在員も必ず1名はいます。
生産管理業務自体はローカススタッフで回すことができると思いますが、メインは日本調達部品の調整と新規開発品の工程管理です。
海外工場が現地で材料を調達できれば日本から材料を調達する必要はないですが、どうしても日本で設計開発している以上は、日本でしか作れないものが残ってしまいます。
その材料を日本から海上輸送や航空輸送で日本と連携して手配する必要があります。
また新規開発品の工程管理も重要です。
開発設計が日本、生産が海外となる場合、どうしてもお互いの認識の差異が発生することが多々あります。そこを抜けもれなく海外現地スタッフに伝える役目を担うことになります。
営業(日系企業担当) – Sales(全業界)
B to B企業にとっては顧客・客先が海外に進出し、自社工場も進出するとなった際は営業は必須ですね。
顧客・客先の購買部や調達部のカウンターパートナーとなる業務です。
購買や調達だけでなく、設計やすべての客先依頼を営業が一手に引き受ける企業もあります。いわば何でも屋さんです。
規模の小さい企業だと営業から海外に駐在を派遣し、営業業務80%+その他業務20%で複数の部署を兼務していることもあったりします。
経理 – Finance(全業界)
経理はどの業界においても海外駐在者を派遣していることが多いです。
会計制度はその国独自のものがありますが、やはり財布の紐は日本人が締めておく必要があるからです。
過去にとあるアジアの国で日本人駐在員なしで回していた時に、現地部長がかなりの金額を横領していたと聞きました。海外は何が起こるか分からないですからね。
また決算時には連結決算業務で日本本社との連携が必要不可欠なこともあります。日本本社が全員英語で業務ができたらいいのですが、実際はそういうわけにはいかないですよね。
一方で海外駐在員が少ない仕事・職種は…?
ここからは反対に海外駐在しづらい職種をご紹介します。
人事
その国のことはその国の人間(現地スタッフ)が一番知っているからです。日本との文化や宗教観の違いを完璧に理解することは難しいですよね。
人事はその国に任せることが多いようです。ただし会社の立ち上げ時や労働問題の多い国には駐在員を派遣する企業もありそうです。
設計・開発(製造業)
設計や開発は製造業の花形のように見えますが、海外駐在がしやすい職種ではありません。
海外駐在のポジションが全く無いわけではないですが、海外駐在先は工場ではなく、本社や統括会社となります。
そうなると席は少なく、また海外駐在に手を挙げる人の割合も多くなり、競争率が高まります。
そもそも日系企業は設計、開発は日本本社でやっています。仕事のメインは日本で進められているからですね。
通訳
意外に思われるかもしれませんが、通訳者で海外駐在する人はまずほとんど聞いたことがありません。もしいたとしても最初の事業立ち上げの期間限定です。
なぜならマイナーな言語を除き、海外現地で日本語を話すことができる人を採用した方が、駐在員を派遣するよりコストを抑えることができるからです。
英語であればまず間違いなく日本企業が進出するような地域であれば、日本語通訳を見つけることができます。
つまり海外駐在したい方は外国語+何かしらのスキルが必要ですね。
海外駐在希望者は日系企業?外資系企業?どちらにいくべき?
少しここからはちょっとした番外編になります。
海外駐在を目指す場合、日系企業と外資系企業のどちらに就職するべきだと思いますか?
一般的には外資系企業の英語ペラペラな人たちが海外に駐在してグローバルにビジネスしているイメージですよね。
実は違うんです。日系企業でグローバル展開している企業の方が海外駐在の可能性は高いです。
皆さん考えてみてください。
日系企業に海外の子会社から駐在員が派遣されて来ますか?
海外子会社から駐在員として自部署の部長になったりしますか?
ないですよね?
外資系企業では海外本社から駐在員が来ることはありますが、一方で日本子会社から海外に駐在、派遣されることはあまり聞かないです。
自己推薦チャレンジ制度のような人事制度で本社のポジションに異動することはできるかもしれませんが、駐在という形にはならず現地採用になると思います。
よって海外駐在を目指すなら日系企業です。
(能力のある優秀な方は外資系企業でバリバリキャリアを積み上げ、本社で現地採用がおすすめです)
まとめ:海外駐在できる仕事・職種=製造業の工場・モノづくりに近い職
新卒ガチャであまり良い印象を持たれていない製造業の工場配属の生産技術、品質管理、生産管理といった職種や、営業・経理が海外駐在に近い職種です。
私の知り合いで大学は東京、配属先はみながうらやむような超大手製造業に就職した人がいました。
新卒の配属先は九州工場の生産技術でした。
周囲からは外れくじを引いたと言われていましたが、本人はそう思っていませんでした。
自身の研究内容の延長線上にあった職種だったため、やりがいを感じて前向きにコツコツと積み上げてきた結果、28歳で海外駐在に飛び立っていきました。
工場配属になっても腐らず、一生懸命チャレンジし続けることで、海外駐在への道が近づきます。
まずは「置かれた場所で咲きなさい」と自分に言い聞かせてみるのも一つの手かもしれませんね。
今回の記事は「海外駐在できる仕事・職種」にフォーカスしました。以下の記事は「海外駐在できる企業・業界」に着目しました。ぜひご覧ください。
ご閲覧いただきありがとうございました。
ではまたお会いしましょう。
コメント