日系メーカーに勤務しているジェイ(@Jay19878)です。入社10年目で海外駐在となり、現在はアメリカ現地法人でプロジェクトマネジメントを担当しています。
- 海外駐在すると給料はあがるの?下がるの?
- 海外駐在すると手当が付くのは本当?
- 年収2,000万円超える噂はホント?
- 海外駐在すると家が建つ」は今もそうなの?
「海外駐在はどれだけ年収・給料をもらえているのか?」という質問を耳にすることがあります。
一般的に海外駐在と言えばある程度エリート層が任されるキャリアですので「海外駐在している=高年収」というイメージがあり気になるところですよね。
この質問を解決する記事を書きました。
私は現在実際にアメリカ赴任中ですので、この給料体系の下、今も働いています。
他企業の方とも少し給料のお話をすることがありましたが、ほぼ同じでしたので参考になること間違いなしです。
この記事ではアメリカ駐在員が海外駐在員の年収・給与事情をぶっちゃけて公開します!
一次情報になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
結論:海外駐在員の年収・給料は上がる?下がる?
いきなり結論を言います。ズバリ日本勤務時の1.7倍 – 2.1倍に上がります。
日本の年収が650万円の場合、1,100万円になりますね。
私の場合は家賃補助を除くと1.7倍、家賃補助込みにすると2.1倍になりました。(アメリカは家賃が高いため)
なおこの計算をしたときの私の役職は、一般(役職なし)でした。
管理職は2倍程度もらっているので役職にも次第な部分もあります。また滞在国、業界、年齢、家族帯同等により差はあります。
ただ日本勤務時の基本給が低い場合を除き、まず間違いなく年収1,000万円は超えるはずです。
日本で30歳代前半で年収1,000万円以上を達成するには、大手商社や大手金融企業の一部限られたエリートのみですよね。
海外駐在であれば、地方メーカーの一般サラリーマンでも年収1,000万円に届くということです!
ただし年収2,000万円に届く人は限られています。
基本は日本勤務時の給料に比例するので、日本で年収1,000万円を超えている方は夢の年収2,000万円の可能性がありますね。
家が建つかどうかは本人がどこまで節約できるか次第ですね。また勤務地の物価レベルにも左右されることになります。
海外駐在員の年収・給与計算方法
なぜ海外駐在員は年収1,000万円を超えるのか?それは様々な手当がつくからです。
以下がおおよその海外駐在時の給与のイメージです。
日本企業で働く以上、基本給は急に大きく上昇することはまずありません。上げると帰国時にそのベースを維持しなくてはならないからです。
そこで様々なインセンティブをつけることになります。
海外駐在員の手当
ここからどのような手当があるか解説していきますね。ハードシップ手当に注目です!
海外勤務給
海外で働く上での特別手当のようなものです。
国内勤務者とは異なりワンランク上での働きを期待される海外での増加分、また異国で生活するうえでの精神的負担費のようなイメージです。
なお海外勤務者は例え労働組合員でも残業代は基本的にはつかないです。
海外ではマネージャーレベルの仕事を任されることが多いため、時間に縛られず働いてください、という会社の指令ですね。
会社によって1.1倍や1.2倍のみなし残業代が加算されるケースが多いと思います。
ハードシップ手当
「生活環境」「治安」「日本との稼働日数差」等に対して付与される手当です。
地域別の生活の困難さの度合いで判断され、以下のような国々が対象になります。
生活環境(日本の生活から離れている国):インド、ブラジル等が対象
治安(危険な国):メキシコ、ブラジル、南アフリカ等が対象
日本と稼働日差(土曜出勤など稼働日が多い国):インド、フィリピン等
私が駐在するアメリカは何一つハードシップ手当がつきません!個人的には治安はアメリカも場所によってはあまりよくないと思いますが…。
海外別居手当
配偶者や子供と別居する際に付与される手当です。
日本でも単身赴任で異動になった場合、単身赴任手当がつくと思います。その海外赴任版だと思ってください。
子どもが小さくて生活面や治安の不安から家族帯同できないケースがあると思います。
最近はそういったケースがそもそも海外赴任を断ることが多くなっているようです。
そうなるとどちらかと言えば子供が高校生や大学生などの40代の方が対象になるかなと思います。
医療費・出産費、健康診断費補助
基本的には海外勤務者とその家族は申請すれば全額会社負担となります。ただし一部保険の聞かない治療は50%割負担などケースバイケースになると思います。これは会社次第ですね。
日本では自己負担30%で医療を受けることが当たり前になっていますが、海外は違います。
例えばアメリカで歯医者に行くと保険なしだと$700(=7万円以上)の請求がきたりします。
ちゃんとした医療を受けらないと仕事も満足なパフォーマンスが出せないですよね。
美容整形、不妊治療、レーシック手術、コンタクトレンズ作成の処方箋、歯の矯正等は保険がきかず100%負担になる会社が多いかなと。
健康診断は海外でできる病院がある場合は海外現地で、無い場合は日本一時帰国時に受診することになります。
日本企業は健康診断を年1回受けることが決められています。バリウム検査は日本独自の検査になるのでアメリカでできる医療機関は限られています。
自動車貸与
アメリカは会社が自動車を1台は貸与してくれます。もしくは自分でリースで購入し、その費用が会社負担となります。
ガソリン代も会社用事で使用した分は会社が負担してくれるかと。ただし個人で旅行する際は実費負担になります。
問題は配偶者が使用する自家用車です。これは会社が負担してくれません。
まず会社は負担してくれないので、自分で購入する必要があります。ニューヨークなどの大都会以外ではアメリカでは車はインフラです。
自身でディーラーに行き、購入、そして任期終了後は自身で売却する必要があります。
アジア圏は自分で運転することは禁止されていたりするので、そうなると専属の運転手が付きます。
一見聞こえは良いですが、土日などプライベートの予定であってもドライバーを呼んで連れて行ってもらう必要があります。
もちろんドライバーを呼んで問題は無いですが、ちょっと自由が無い感じもしますね。
教育費補助
帯同している子女の教育費の入学金、授業料、通学費等の負担してくれます。
日本人学校がある地域はその学費全額を、無い地域は現地校+日本語補習校の費用全額が支給されます。
会社によっては未就学児童のキンダーガーデンの教育費を負担してくれる企業もあるようです。
住宅費
「日本人が入居するにふさわしい物件」の範囲内で実費補助もしくは会社が支払ってくれます。上限が設定されていると思います。
アメリカは家賃が近年ありえないぐらい高騰中です。
私は郊外の巨大な一軒家に住んでいますが、その家賃はなんと$2150/月(=約24万円)!
日本で家賃補助があっても24万円を負担してくれる企業は先ず無いですよね。
私自身今までマンションにしか住んでこず、アメリカで初めて階段のある家に住んじゃいました。
巨大なリビング、ベッドルーム3、トイレ3、シャワー2、ベースメント(地下室)、ボタン式ガレージ(2台駐車可能)、巨大バルコニー、巨大な庭、のある一軒家です。
私自身今までマンションにしか住んでこず、アメリカで初めて階段のある家に住んじゃいました。
個人的には住宅補助を最大限使い切って日本では住めないような家に住むことが、駐在員の大きなメリットの1つだと思います。
海外駐在する業界、企業、国によって年収・給与事業は異なる
前述の通り、日本勤務時と比べて間違いなく海外駐在の年収は増加します。しかしやはり業界、企業、国によってその状況は異なります。
業界の違い
今までアメリカで出会った人から聞いた話から以下の感覚です。
総合商社>金融=海運>>IT=建設>専門商社=製造=物流(海運以外)
ただし商社は日本人が全くいないような地域に単独駐在、金融はニューヨークなどの物価の高い東海岸、ITはサンフランシスコなどの物価の高い東海岸といったように、それなりに苦労が多いと思います。
一方私のような製造業は最終客先の近くに拠点を構えることが多いので、日本人が多い一体に駐在することが一般的です。また製造業は年収・給与以外の福利厚生が良いと言われています。
年収・給料以外にも一長一短があるということですね。
企業の違い
基本給が多いとそれに比例して海外駐在員の年収は高くなります。
つまり日本の平均年収が高い企業はその分海外年収も高くなるということです。当たり前のことでしたね。
商社だと30代前半で1,000万円を超える方もいますが、その方が海外駐在すると2,000万円近くもらえることになります。
国の違い
さきほどハードシップ手当について書きましたが、駐在する国によっても異なります。
例えばインド駐在者にはハードシップ手当が最大15-20万円/月つく企業がある一方で、アメリカ駐在者は0円です。
日本人が行きたがらない国、まだ進出してから期間が経ってない国等に対してハードシップ手当が多くついています。
海外駐在員になるメリット
海外駐在員になるメリットについて年収についてはこれまで存分にお伝えしてきました。
ここからは年収・給料以外のメリットをお伝えします。
まとめ:海外駐在時の年収・給料はサラリーマントップクラス!
海外駐在を命じられるということは社内ではエリートで出世コースに乗っています。
さらに海外駐在となると日本勤務時の年収から1.7ー2.0倍になるので、年収は1,000万円超え、日本サラリーマンの中ではトップクラスに入ります。
昨今、日本では賃上げ、ベースアップが話題になっていますが、日本政府が促進しないと日本企業は年収、給料が上がりません。
つまり普通に働いていては、一番お金が必要になってくる子育て世代の30代は多くの給料をもらうことはできません。
海外駐在すれば基本的にはお金の心配をすることはなくなります。実際私も海外に来てから、資産を守ることではなく、増やす(投資)ことに注力できています。
物価の安いアジア圏では数千万円の資産を貯蓄することも可能だと思います。
アメリカやヨーロッパは物価が高く、大きな貯蓄は難しいかもしれませんが、英語スキル向上や子供に良い教育を与える等、年収以外の面でメリットがあります。
ぜひ皆さん手を挙げる機会があれば海外駐在員を目指してほしいです。
私自身、もとは全く海外志向は全くなく、学生時代も留学もせず、日本しか見ていない学生でした。
社会人になり、アジア圏の海外出張は多かったですが、欧米は海外駐在で初めて訪問することに。
勝手にヨーロッパ系アメリカンにコンプレックスを持っていた過去もあります。しかし現地で仕事をやってみると世界観や価値観がまったく変わりました。
年収面もそうですが、そのほかの面も含めて本当に海外駐在ができて良かったと思っています。
ではどうやったら海外駐在に近づけるのか。
海外駐在できる仕事・職種についてまとめた記事はこちらです。ご参考にしてください。
ではまたお会いしましょう。ご拝読ありがとうございました。
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