こんにちは。2019~2023年の5年間アメリカで海外駐在していたジェイです。
このアメリカ駐在は私にとって、人生で初めて海外で勤務する経験でした。
よく日本は「まじめに働く」といわれる一方でアメリカは「みんな残業せずにすぐに帰る」と言われます。
実際にアメリカ人しかいない環境で働くことで、この固定観念が変わった部分もありました。
グローバル化が進む中、日本とアメリカの働き方の違いが注目されています。
この記事では、両国のワークスタイルを比較し、それぞれのメリットと課題を探ります。
また、効率的で働きやすい環境を作るためのヒントも紹介しますね。
日本のワークスタイルの特徴
日本のワークスタイルの特徴をまずはどんなものかおさらいしましょう。
長時間労働と残業文化
日本の働き方といえば、長時間労働がよく挙げられます。
多くの企業では「定時退社」が形だけになりがちで、長く働くことが美徳とされることもありますよね。
最近は少しずつ変わってきたと言えど、残業しないで退社することに後ろめたさは感じることもあります。
集団意識とチームプレイの重視
日本の職場では、個人よりもチーム全体の成果が重視されます。
問題解決や意思決定もグループで行われることが多く、調和を保つことが求められます。
出る杭は打たれる文化も大企業では残っていると思われます。
年功序列と上下関係
年齢や勤続年数によって待遇や発言力が変わる「年功序列」の文化は根強く残っています。
少しずつ成果主義を取り入れる企業も増えてきています。
ただそこまで大胆な人事改革はできず、給料も30歳ぐらいまでは同期と横並び、というのがほとんどだと思います。
この仕組みは安定をもたらす一方で、若手の成長機会を制限する場合もあります。
ミーティングと報連相(ホウレンソウ)
日本の企業文化では、頻繁なミーティングや上司への「報告・連絡・相談」が重要視されます。
そしてその後自分の上司(課長)→上司(次長)、その後上司(次長)→上司(部長)…と続いていきます。
これにより情報共有が徹底される反面、迅速な意思決定が難しいこともありますよね。
アメリカのワークスタイルの特徴
自分がアメリカで働いた体験談をもとにしています。
成果主義と個人の評価
アメリカでは、働いた時間ではなく、成果に基づいて評価される文化が一般的です。
個人が持つ専門スキルや実績が重視されます。
また通常ホワイトカラーの従業員は残業代が付きません。
彼ら彼女らのことを「エグゼンプト(exempt)」と言います。
労働時間ではなく、成果によって評価が決まります。
給料は職種次第
給料は職種でだいたいが決まります。
例えば、同じぐらいの年齢で同じぐらいの勤務年数であっても、Sales(営業)とProject Management(プロマネ)では給料が違います。
一般的にプロマネの方が高いです。
なぜならプロマネはエンジニア出身かつプロジェクト管理のスキルをもっているため、理系であり、文系でもあるからです。
また労働組合は企業単位ではなく、職種単位にあったりします。
ワークライフバランスの徹底
多くのアメリカ企業では、プライベートと仕事の時間をしっかりと分けることが推奨されています。
休暇を取りやすい環境も整っており、仕事以外の時間を充実させることが奨励されます。
従業員の多くが年に2~3回、有給消化で1~2週間のバケーションを取ります。
みんなバケーションを取るタイミングは様々です。
ただ学生のお子さんがいる家庭は、子供の長期休みに合わせてバケーションを取りますね。
家族との時間を重視
家族との時間は大切にする人が多いです。
子どもが大きくなって高校生ぐらいになってもバケーションは家族で旅行に行く話をよく聞きました。
家族の誕生日や記念日も壮大に祝います。
想像とは違ったアメリカのワークスタイル
ここからはいわゆる世間的には「The アメリカ」なワークスタイルかと思われていても実際は違った点を紹介します。
残業や休日出勤は必要であればやる
アメリカ人は「仕事が残っていても残業せずに、とっとと帰る」「休日なんて絶対に働かない」と思っていませんか。
アメリカでも「管理職」や「責任感の高い人」は普通に残業や休日にも働いています。
早々と定時に帰っても、その後家でパソコンを付けて働いていて、夜にメールが返ってくることも多々ありました。
そんな彼は3人にこどもを持つお父さんで、早く帰る理由は子供の保育園のお迎えでした。
アメリカは小さい子供は一人で家にいさせてはいけないルール(?)があります。
こどもが一人で家にいると、虐待で通報されることもあったりしますから。
オープンでフラットなコミュニケーションとはいいがたい
職場の階層が少なく、上下関係があっても意見を自由に言える雰囲気、と思っていませんか?
実はコレ違います。
日本より「Yes, sir!」の世界です。つまり上司の指示には忠実です。
上司の指示にケチをつける部下はまず見ませんでした。
ただ、その後愚痴を同僚や私にぶつくさいうこともよくありました。
アメリカの文化は「上司の前では笑顔でYes, sir、終わったらFワード前回で愚痴を言う」が正しい理解です。
よっぽど日本人の方が上司にいろいろとモノ申せる環境です。
意思決定のスピード感はそこまでない
アメリカの職場では「迅速な意思決定が求められるので、必要最小限のミーティングで結論を出す」と思っていました。
実はコレ、すべてが正解ではありません。
おそらくGAFAMのような超巨大企業であればそうだと思います。
ただ一般的な企業では「ダラダラと結論のでない会議、議題から逸れた脱線ばかりする会議」が萬栄しています。
日本人の自分が何度会議の起動修正をしたことか…。
女性の産休や育休はめちゃくちゃ短い
アメリカの企業は「女性が育休や産休が十分に取れて企業が守ってくれる」と思っていませんか?
これ正反対です。
多くの女性は「産休や育休を長期間取ったら他の人材を採用されてクビになる」と戦々恐々としています。
同僚の奥さんが出産したとき彼が「出産した翌々週から普通に働き始めたよ」と聞いて嘘だと思っていたら本当でした。
男性も育児休暇はほとんどとりません。
その代わり例えば6:00~15:00勤務のようにフレキシブルに働く人を見かけました。
日本とアメリカの違いが生むメリットと課題
日本のワークスタイル、アメリカのワークスタイル、それぞれに一長一短があると思います。
メリットと課題という観点で見ていきます。
労働生産性への影響
アメリカの成果主義は短期的な生産性向上に貢献しますが、日本のチームプレイは長期的な信頼構築や安定性に寄与します。
それぞれの特徴を理解し、活かすことが重要です。
日本の製造業は世界で一時代を築きました。
製造業にはチームプレイがうまくハマったからでしょう。
働きやすさの感じ方
日本では安定感や一体感を重視する一方、アメリカでは自由度や自己裁量が評価されます。
どちらが「働きやすい」と感じるかは個人の価値観によります。
アメリカはクビ(解雇)が普通にあります。
のちに裁判沙汰にならないように客観的事実を積み上げられて解雇されます。
ただ日本企業も今後グローバルで生き残るためにはアメリカ的な考えを導入する企業も増えてくるかもしれませんね。
日本とアメリカの良い部分を取り入れる方法
日本とアメリカのそれぞれいい部分を取り入れることができればよりよりワークスタイルことがうまれると思います。
個人とチームのバランスを取る
個人の成果を重視しつつ、チームの一体感を保つ方法を模索できるといいですよね。
例えば、プロジェクト単位での評価や共有目標の設定が有効です。
ただなかなか共有の目標設定は難しいです。
そうなると日本も比較がしやすい、職種別の給与体系に変更せざるを得ない環境になるかもしれませんね。
実際に、職種別賃金制度を採用する企業が増えてきています。
残業削減と成果重視の働き方
日本の長時間労働文化を見直し、成果を重視した柔軟な働き方を取り入れることで、効率化が図れます。
これは間違いないでしょう。
日本も働き方改革により、残業時間については昭和や平成初期とはガラッと変わりました。
ただし今は管理職の罰ゲーム化が問題になっていますね。
コミュニケーションスタイルの工夫
上司への報告伝言ゲームは終わりにして、必要に応じてフラットな議論の場を設けるなど、は増やしていくべきです。
こちらに関してはアメリカよりも欧州系企業を参考にした方が良いです。
報連相は大事です。本当に必要な判断のみ上にあげて、それ以外は現場で判断できる風土を構築しましょう。
最後に私が思うこと
日本とアメリカのワークスタイルにはそれぞれの良さと課題があります。
隣の芝生が青く見えるだけでアメリカのワークスタイルにも善し悪しがあります。
ただ1つ言えることは、「アメリカ人のほうが人生が楽しそう」でした。
仕事だけでなくプライベートで家族や仲間との時間を目いっぱい楽しむ姿は考えさせられるものがありました。
互いの違いを理解し、適応することで、より効率的で働きやすい環境を作ることができます。
本記事が、ワークスタイルに悩む方やグローバルに働きたい方の参考になれば幸いです!
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