こんにちは。アメリカで2019~2023年まで5年間海外駐在をしたジェイです。
総じて海外駐在は自分にとって大きな岐路となりました。
渡米前日は、当時31歳でしたが風呂場でしくしく泣いたこともありました。
それまで旅行でしか海外に行ったことはありませんでした。
さらに行き先は今まで踏み込んだこともないアメリカでした。
白人に対してコンプレックスも感じていたと思います。
しかし、この5年間は自分を人間として大きく成長させてくれたことに違いはありません。
この記事では、37歳、会社員として働く私が5年間にわたる海外駐在で経験したことについてお話しします。
海外駐在は、多くの学びや経験を得られる一方で、大きな代償も伴うものです。
本記事では、駐在で得られたメリットと、それによって失ったものをリアルに語ります。
海外駐在で得た6つのメリット
英語力とコミュニケーション能力の向上
駐在中は英語を使わざるを得ない環境に身を置くことになります。
その結果、渡米前はTOEIC550点だった私も、実践的なビジネス英語を身につけ、交渉やプレゼンでも困らなくなりました。
ただ何もせずに5年間を過ごしていたらカタコトの英語を話して、気持ちよくなっている一部のチュウザイ社員になっていたかもしれません。
ただ過ごすだけでは英語は話せるようにならないのでご注意を。
私は、渡米後は日本人の先輩駐在員に英語チューター(日本語は話せない)を付けていました。
毎週土曜日に1時間だけのレッスンでしたが、宿題は毎日1時間以上やらないと追いつかったです。
むしろそうして欲しいを自分から希望をしました。
英語を学ぶだけでなく、異なる文化背景を持つ相手と効果的にコミュニケーションを取るスキルも大幅に向上しました。
第2言語で自分の意見を伝える際に、簡潔に話す、簡単な単語を使う、ジェスチャーや表情に表す、などには気を遣うようになりました。
また人種、宗教が多種多様なアメリカで自分とは違う文化を持つ人に対する思いやりを持てるようになったこともあります。
例えば食に関してだと、ヴィーガン、ベジタリアン、ペスカトリアン…と多種多様です。
職場でランチ会をするときも、こういったバックグランドに気にかけています。
国際的なビジネススキルの習得
海外市場でのビジネスは、日本国内とは異なる視点や戦略が求められます。
現地の商習慣や市場動向を学びながら、柔軟な意思決定やリーダーシップを発揮する経験を積むことができました。
海外駐在時は日本の役職より1つか2つ上がることが一般的には多いです。
私も日本では役職が主任クラスでしたが、アメリカでは部長クラスでした。
そうなると判断する機会や、現地スタッフを導くような役割が求められます。
最初はダメダメでしたが、4・5年経つとそれなりのふるまいになった(と自分では)思っています。
グローバルな人脈の構築
現地スタッフや他国からの駐在員と協力しながら働くことで、多国籍な人脈ができました。
これらの人脈は、帰国後のキャリアやプライベートでも役立っています。
アメリカから返った今でも一緒に働いていたアメリカ人の友人たちとはSNSやメールでやりとりを続けています。
日本人とは考え方が違ったり、意外と同じだったり、日々新しい発見があったりしますね。
異文化理解力の向上
異なる文化や価値観を受け入れることで、自分の視野が大きく広がりました。
例えば、会議の進め方や仕事に対する価値観の違いを学び、適応するスキルが身につきました。
私はアメリカ企業での職種は、プロジェクトマネジャーでした。
最近では日本でも耳にするようになりましたが、この職種があること自体が海外で働くことなのかもしれません。
仕事内容はプロジェクトが円滑に進むように関係者をフォローして進捗をチェックすることです。
日本は誰からもフォローされずに個人の力でプロジェクトが進んでいくことが比較的多いです。
海外ではそんな責任意識はないので、進捗フォローする仕事が必要であり大事なんだと。
これも国際ビジネススキルで必要な能力の一つです。
経済的なメリット
駐在手当や現地での生活費の補助により、貯蓄額が増えたことも大きなメリットでした。
また、帰国後のキャリアアップにも繋がり、給与水準が上がる可能性も高まります。
具体的には、日本の給料の1.8倍ぐらいはもらえていました。
様々な補助もつくので、それなりに貯蓄額は増えていきます。(アメリカの物価高も感じてはいましたが)
帰国のタイミングで管理職にも昇進して、年収は大台に乗るぐらいになりました。
家族との絆
駐在中は家族と過ごす時間が日本よりも長くなり、家族との絆を深めることができました。
日本にいると、お互いの両親や友人と会う機会が増えますが、海外に行くとそうはいきません。
反面、家族(妻)とは本当にいろいろなところに旅行にいったりお出かけをすることができました。
私の仕事の同僚(アメリカ人)や、妻の英会話学校の友達(アメリカ人、カナダ人、ブラジル人、メキシコ人など)のホームパーティーに行くことも多かったです。
日本では経験できないような課題にぶち当たることもありました。
ただ家族と一緒に乗り越えることでそれが深い絆につながったのです。
海外駐在で失った4つのもの
もちろん得たものもあれば、失ったものもあります。
配偶者のキャリア
配偶者(私の場合は妻)に帯同してもらうことになったので、妻には一旦休職(最終的には退職)してもらいキャリアをストップしてもらうになりました。
妻は駐在帯同前まではフルタイムで働く仕事をしていました。
士業のような仕事でもあったので、試験に何度も受験し、やっとなれた正社員の仕事でした。
その仕事をいったんやめてもらうか、それとも妻だけ日本に帰るか、決断にせまられました。
結果、退職することにしましたが、帰国後のいまは非正規社員になってしまったのが現実です。
家族や友人との時間
駐在中は日本を離れて暮らすため、家族(両親や兄弟)や友人と過ごす時間が大幅に減ります。
特に、重要な家族イベントに参加できないことが多く、孤独を感じる瞬間もありました。
私はコロナ禍での駐在でもあったので、日本に一時帰国することができない時期もありました。
長期間、両親や兄弟の顔を見ることができず、また親族の葬儀に出席できないこともありました。
反面、帰国後はより一層「家族を大事にしよう」という気持ちはうまれています。
健康やメンタルへの負担
慣れない環境や過酷な業務により、体調を崩したりストレスを抱えたりすることもありました。
特に、現地の医療環境が日本ほど整っていない場合、健康面での不安は大きいです。
アメリカは医療費が高いです。
会社が医療費は基本的に全額保障してくれていましたが、一旦自分で建て替えることになり、その後の会社への申請手続きもかなり面倒でした。
わたしの住むエリアには日本語を話せるドクターもいましたが、家からは病院まで離れていました。
よって日本ほど気軽に病院にいくことはできませんでした。
アメリカで不妊治療も経験しました。
料金は日本の費用に0を一つ追加した程度になります。高いです。
結局、数回人工授精をトライしてからやめてしまいました。
いまだに残念ながら子宝には恵まれていません。
日本社会との距離感
日本に戻った際、友人や同僚と話題が合わなくなったり、日本のトレンドに疎くなったりすることがありました。
また、帰国後の再適応にも時間がかかります。
日本の流行りにはまったくついていけなくなります。
日本の新しくできた制度に追いつくのには少し時間がかかりました。
(スーパーやコンビニでビニール袋がもらえなくなったことはいまだに忘れます)
海外駐在はメリットが多いが、準備と覚悟が必要
具体的な準備として必要なこと
駐在前には以下の準備が必要です:
- 英語力の強化
- 家族との入念な事前相談
- 健康管理の徹底
英語はその後のキャリアも考えると勉強をしておいて損をすることはありません。
またどれだけやってもやりすぎることはありません。
単語でも、文法でも、英会話でもなんでも構いません。
少しずつでよいので積み重ねていきましょう。そして海外で感じるストレスを少しでも少なくしましょう。
家族としっかりとお互いの将来を話し合うことも重要です。
お互いわだかまりがあるまま、海外駐在することになっても、どこかですれ違いが起きてしまいます。
大きな問題になってしまう前にちゃんと納得がいくまで、逃げずに話し合いましょう。
健康は生活するうえで全てです。
体に悪いところがあれば日本でちゃんと治してから海外に行きましょう。
時間がないかもしれませんが、海外で痛んで後悔することにならないように忙しくても病院や健康づくりをしておきましょう。
経験から得たアドバイス
駐在を成功させるためには、自分の目的を明確にし、現地での生活を楽しむことが大切です。
また、困難に直面しても前向きに乗り越える姿勢が必要です。
ネガティブな考えになると駐在生活がどんどんつまらなくなってしまいます。
せっかく海外に住むのなら、輝いたキラキラしたものにしたいですよね。
事前にできることはできるだけやっていきましょう。
不安なことがあれば、海外駐在経験者に少しだけ勇気を振り絞ってダイレクトメールを送ってみるのはいかがでしょうか。
思っているより優しく色々教えてくれるかもしれませんよ。
私でよければ「問い合わせ」フォームからぜひご連絡ください。
まとめ
海外駐在は大きな挑戦ですが、得られる経験とスキルは非常に価値があります。
一方で、失うものもあるため、自分自身と向き合い、慎重に決断することが重要です。
この記事が、海外駐在を考えている方の心の準備の参考になれば幸いです!
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