アメリカ生活で最初の大きな買い物は「車」です。
しかし「そもそもどうやって車を購入したらいいのか?」「どんな車を買ったらいいのか?」等、わからないことだらけだと思います。
そもそも日本でも自動車を購入する機会はそこまで無いですよね。
この記事では
- アメリカのディーラーでの値引き交渉のコツ
- アメリカで買うべき車(車種)
- アメリカでの車購入手順
をまとめました。
私も最初は何をしていいかわからず、色々な人に聞いたり、先人のブログを何件も見て回りました。
結果、私は現地ディーラーから中古車を掲示価格から$2,000(約25万円)の値引き交渉に成功し、購入ました。
この記事を読めばアメリカでの車購入の流れが一通り把握できます。
アメリカのディーラーで車を安く買うコツ
アメリカで以下の手段を取ると車が安く購入できる可能性があります。実際に私が購入したときに全てやりました。
この中で特に効果があったのは「最終日曜日の午後にディーラーを訪問する」でした。
その理由は、ディーラーの担当営業さんが月末に駆け込みで営業成績を上げたいからです。
さらに午後だとあれこれ考える時間が無いので、押し込んだらOKになる可能性が高いです。
アメリカでの車購入の常識
アメリカと日本では車購入でもいろいろな違いがあります。
アメリカで車は公共交通機関
アメリカで生活する人にとって車は公共交通機関と言っても過言ではありません。
アメリカは日本と違って公共交通機関がそれほど展開されていません。電車が走っている地域はごく限られたエリアだけです。
バスは見かけますが、これも住んでいる地域によってまちまちです。
アメリカは完全な車社会です。高速道路はほぼ無料です。
所持台数も成人一人につき1台所持することは当たり前です。時々二人暮らしで3台以上所持している人もいたりします。
自動車税が無い・車検が無い
アメリカは多くの州が自動車税が発生しません。私の住んでいるミシガン州は自動車税がかかりません。
$140/年間を支払いますが、これはTab Renewal feeなのでナンバープレート更新費用です。
またミシガン州は車検もありません。
それが理由か、高速道路上に壊れて動かなくなった車がたくさん停まっていますが…。
新車もディーラーの店頭在庫を購入
日本では中古車はディーラー店頭にある在庫車を購入しますが、新車はオーダーを入れて納車まで数週間、数か月待つことになります。
一方でアメリカでは新車も中古車もディーラー店頭にある在庫を購入することになります。
オプションにこだわりのある人は在庫を見つけることに苦労するかもしれませんね。
クレジットヒストリーが無い人は金利が高い
もしローンで車を購入しようとした場合、たいていの日本人はクレジットカードヒストリーがないため、金利の高いローンを組むことになってしまいます。
実際私の周りでローンで買っている人はいません。
基本的には日本から購入資金を送金することになります。
アメリカで買うべき車
日本と比較したアメリカの道路事情
- 道幅が広い
- 最高制限速度が高い(高速道路は時速70マイル=時速112キロが一般的)
小型車(ヤリス等)はあまりアメリカの道路には向いていません。(時々普通に走ってる姿も見かけますが)
小ネタですが、日本だとそれなりに大きいRav4はアメリカだと”Small” SUVに分類されます。
おすすめの車のタイプ
総じて、SUVがおすすめです。特に家族で乗る車をお探しであればなおさらです。
SUVを選んでおけば間違いがなく、満足度も高いと思います。
理由としては
- 多くの荷物を運べる
- キャンプなどのアウトドアに使える
- アメリカの道路に映える
- 車高が高いので運転がしやすい
- 悪路に強い
- 大きいので家族が運転しても安心できる
- 人気が高いのでリセールが良い
具体的な車種を挙げると、日系は以下をおすすめします。
- TOYOTA:RAV4
- SUBARU : FORESTER
- HONDA : CR-V
- NISSAN : ROGUE
アメリカ車は以下がおすすめです。
- FORD : BRONCO SPORT
- CHEVROLET : EQUINOX
- JEEP : CHEROKEE
このSUVはアメリカで本当によく走っているのを見かけます。
どれも基本的にはアメリカではSmall SUVに分類されますが、日本人からしたらそれなりに大きく感じるはずです。
新車であればアメリカ車でOK、中古車は日本メーカーがおすすめ
アメリカは車が壊れると耳にするかと思います。
確かに高速道路上ではよく故障した車を見かけます。感覚では10マイル(16キロに一台)ぐらいで遭遇します。
アメリカ車が壊れやすい理由
- 車検が無い
- 長距離(10万マイル超えもあたりまえ)走行車が多い
- アメリカ車の品質が良くない
実際はアメリカでも車のメンテナンスをしている人はちゃんと定期的にやっています。
メンテナンスをしない人もいるので、そうなるとルールとなっている日本と比べると故障が必然的に増えてしまいますね。
また車関係企業で働く身としては、やはり日本メーカーとアメリカメーカーの品質に対する力の入れ方が違います。
ただし、新車で購入する場合は、アメリカメーカーでも日本メーカーでも故障する可能性はそこまで変わらないです。
一方で長距離を走っていればいるほど、アメリカ車は故障に対する不安が大きいですね。
また英語に自信が無い人は、車が万が一故障した際の英語のやりとりに不安があるはずです。
そうなると故障の可能性をより少なくするために、長距離走行していない日本メーカー車をおススメします。
おすすめ装備
アメリカは前述の通り、ディーラーにある在庫を購入するスタイルなので、アクセサリー・装備をちゃんと確認する必要があります。
おすすめアクセサリーはこちらです。
どれも事故防止につながる装備です。アメリカで事故を起こすといろいろと大変なのでこの装備はあるとありがたいものばかりです。
- バックモニター
- レーダー(アダプティブ・インテリジェント)クルーズコントロール
- ブラインドスポットモニター
- プリクラッシュセーフティー(自動ブレーキ)
バックモニター
日本でも最近はほぼ必須装備になりつつありますが、アメリカの車はサイズが大きいのでバックするときに非常にあるとありがたいです。
レーダー(アダプティブ・インテリジェント)クルーズコントロール
アメリカは高速道路網が発達しています。さらにほとんどが無料で走行できます。この機能は前の車と一定距離感覚を保ってくれるのでハンドルさえ握っていればアクセルを踏む必要がなくなります。長時間運転が快適になります。
ブラインドスポットモニター
アメリカの高速道路は非常にスピードを出します。ミラーが死角に入っている並走者を教えてくれたり、目に見えない障害物をアラームで教えてくれます。
プリクラッシュセーフティー(自動ブレーキ)
アメリカはスピードを出します。前の車が急ブレーキで止まると非常に危険です。自動でアラームとともにブレーキをかけてくれます。この機能で私は何回か事故を防げているかもしれません。
アメリカでの車購入方法
駐在前任者から引き継ぐ
アメリカ駐在員にとって一番手っ取り早く車を手に入れる方法は、前任者から購入することですね。
選択肢がないことがデメリットととなります。
個人売買の簡単な流れは以下の通りです(ミシガン州の例)。ご覧の通り非常に簡単にできてしまいます。
- 相手に入金(帰任直前の駐在員であれば日本銀行に日本円でもいいかもしれないですね)
- 自動車保険に加入
- Security of State(SOS)に行く(SOSとは自動車関連の手続きをする施設です)
- SOSで車のRegistrationの名義変更(売る人、買う人のサインを名義変更届けに記入
- 変更手数料を支払い、ナンバープレートとRegistrationを入手
帰国予定の日本人からウェブサイトなどを通して購入
英語に不安のある方は、日本人から購入したいと思いますよね。
アメリカ在住の日本人掲示板で探す方法がこちらです。
このアメリカ掲示板の「売ります・買います」の項目で「車・バイク」を見てみましょう。
ただし私の住んでいる地域で探してみたところ、時期が悪いのかもしれませんが、あまり出てきませんでした。
異動シーズンの12月や3月が一番売りたい人が出てくると思われます。
売買成立したらあとの手続きは、「駐在前任者から引き継ぐ」と同じです。
個人売買ウェブサイトで購入
個人売買ウェブサイト(Craiglist・eBayなど)で購入もできます。
あまり日本人の感覚では考えられませんが、この売買はアメリカでは非常に活発で、私の会社の同僚も良くウェブサイトで車を売ったり、買ったりしています。
しかし在米歴が浅い人にはあまりおすすめできませんね。
もちろん交渉は英語になります。細かく車の状態をガツガツ聞く必要がありますので、それ相応の英語力と度胸が必要になってきます。
それでもチャレンジしたい方は購入前に以下の手順を踏みましょう。
- VIN(Vehicle Identification Number):車1台ずつに付与される番号)を問い合わせ
- VINから車の事故歴を調査(CARFAXで調査)
- 適正価格の調査(Kelly Blue Bookで調査)
- メンテナンス履歴を問い合わせ
- お願いして試乗
売買成立したらあとの手続きは、「駐在前任者から引き継ぐ」と同じです。
支払いは米ドルになるのでドルが必要です。高額になるとCashier’s Checkを依頼されると思います。銀行窓口で発行してもらいましょう。
道端でSellと貼り紙の貼られた車を購入
アメリカの道路を車で走っていると時々車の窓ガラスに「Sell」と貼られた車が庭に置いてあるのを見かけます。
その貼り紙に電話番号などの連絡先が記載されていると思います。そこから交渉可能です。
かなりの在米上級者にしかお勧めできません。私の周りでこの方法を試した人は聞いたことがありません。
売買成立したらあとの手続きは、「駐在前任者から引き継ぐ」と同じです。
日系ディーラーで購入
日系中古車販売会社の有名どころはGulliver USAです。
以下の地域のいずれかに住んでいる方はホームページから見積もり依頼をかけることができます。
- Torrance / Los Angeles
- Irvine / Orange County
- Silicon Valley/ San Francisco
- Chicago
- Michigan / Midwest Area
- New York / New Jersey
- Texas
皆さんご存じのガリバーのアメリカ法人です。安心感がありますね。
近くに店舗があり、日本語でちゃんとプロに説明してもらったうえで、車を購入したい人におすすめです。
現地ディーラーで購入
最後に「現地ディーラー購入」です。購入まで以下のような流れになります。
- ウェブサイトで「探している車の名前 自分の住んでいる地域」で検索
- ウェブサイトで欲しい車を見つける
- 最寄りディーラー在庫をチェック
- ディーラーの評価と口コミをチェック
- ウェブサイトで試乗予約・メールアドレスや電話番号を登録
- 店に行って試乗・価格交渉
- 購入
お目当ての車を見つけたらウェブサイトから試乗予約をしてみましょう。
予約方法はウェブサイトによって異なりますが、メールアドレスを登録して、試乗予約の返信が来ると思います。
新車を購入する場合は、ディーラーの評判をちゃんと見ておきましょう。
やはり地域で有名な正規ディーラーはトラブルが少なくて良いです。
少しでも気になる車の在庫が出てきたら、実際に店に行って、試乗することをお勧めします。
アメリカは売った後の客に対してはひどい対応をしてくるディーラーも存在します。不具合があった場合の対応にも関係してきます。
なお中古車の場合は、その後ディーラーにお世話になることは無いのでそこまで気にしなくていいと思います。
ディーラーで車購入する際に必要なもの
- パスポート
- 国際運転免許証
- (もしお持ちであれば)アメリカの運転免許証
- 自動車保険の加入証明書
- アメリカの住所
- 銀行口座(Cashier’s Check:小切手で支払いするため)
私は新車と中古車の現地ディーラーを4社回りました。最終的には家から50マイル(80キロ)離れた遠い中古車ディーラーで購入しました。
アメリカで車の状態を調べる方法
以下方法で車の市場価格と事故履歴を確認できます。購入前に一度チェックしておきましょう
Kelly Blue Bookで車の市場価格チェック
個人売買や日系ディーラーで購入しようと考えている場合は、購入しようとしている車の価格が高すぎないか事前にチェックしておきましょう。
日系ディーラーは日本人の安心感がありますが、車の価格は基本的には高めです。
アメリカでは中古車の相場を調べる際に、Kelly Blue Bookが有名なウェブサイトとして使われています。
Carfaxの車両調査レポートで事故履歴等をチェック
アメリカではi以下のCarfaxやAutocheck Vehicle Reportというウェブサイトで、アメリカ国内での車の履歴等をチェック可能です。
調査にはVIN(Vehicle Identification Number:車のフロントガラスに書かれています)が必要になるので個人売買の際は問い合わせしておきましょう。
気に入った車が見つかったら車両レポートで事故履歴などを確認しましょう。
車両レポートで確認できる主な内容は以下の項目になります。
- 過去の車のオーナー(人数)履歴
- 事故、修理履歴
- 走行距離
- メンテナンス履歴
アメリカ車購入時の支払い方法
ディーラーで購入する車を決めたら最後は支払いになります。
アメリカ赴任直後はクレジットヒストリーがないためローンで車を購入する場合は、高金利ローンになってしまいます。
よって支払いはキャッシュ(小切手もしくは電子送金)の選択肢が基本になります。
キャッシャーズチェック(小切手)
車購入時は、現金をディーラーに持っていくのではなく、Cashier’s Check(キャッシャーズチェック)を銀行窓口に行き発行してもらうことになります。
キャッシャーズチェックとは
高額用のチェックのこと。自分の銀行口座からではなく、銀行が発行したチェック。チェックが書かれた時点で個人口座にある金額が銀行に送金。
通常の小切手とも異なる。銀行が残高が十分にあることを保証してくれる小切手。銀行が発行してくれるのでディーラーも踏み倒される心配がないため受領してくれる。
いわゆるみなさんが思うチェックはパーソナルチェックです。小切手帳から手書きするタイプですが、こちらは車の購入には使えません。(稀にパーソナルチェックを受け付けてくれることもあるようですが)
私はユニオンバンクがメインバンクだったので、家の近くに銀行支店がありませんでした。
しかしながら以下の日本語窓口に電話するとエクスプレス便で1週間程度でキャッシャーズチェックを郵送してくれますのでご安心を。
ユニオンバンク ジャパニーズ・カスタマーサービスユニット
米国内フリーダイヤル:1-877-479-5237(日本語) 1-800-238-4486(英語)
受付時間(太平洋時間):月曜日~金曜日:8.00 a.m. – 5.00 p.m.
(米国における祝日等を除く)
キャッシャーズチェックが届いたら、それをディーラーにもっていきましょう。
忘れずに自動車保険にも加入しておきましょう。
ナンバープレートは別途ディーラーに取りに行くか、後日フェデックスやUPSで配送してくれます。
それまでは仮のナンバープレートを車に貼っておきます。(車の後ろのガラスに貼っておくだけの簡易的なものになりますが…)
参考)ローンでの購入
渡米したばかりだとクレジットヒストリーがないためローンは組めません。
組めても高金利ローンとなるのでおすすめはしません。
参考)クレジットカードでの購入
クレジットカードで全額決済することはできません。
だたし$2,000ー$3,000ぐらいまではクレジットカードでの支払いを対応してくれることが多いです。
ディーラー側からはあまり進めてくることはないので、クレジットカードで支払いができるかこちらから聞く必要があります。
アメリカはクレジットカードの入会ボーナスなどでポイントがざくざくたまりますよね。
けど渡米したての頃に作成できるクレジットカードは限られてくるので、あまりメリットはないかもしれませんね。
アメリカでの車購入まとめ
以上、アメリカのディーラーで車を安く買う4つのコツと車購入手順についてでした。
アメリカ現地ディーラーで英語で価格交渉をすることは、なかなか難しいかもしれません。
私は日本でも車や家電を購入する際は、かならず価格交渉をするタイプの人間でした。
当時は英語がペラペラではなかったですが、一つの勉強だと思って、積極的に乗り込んでみました。
みなさんがこの記事を参考に、現地ディーラーでお値打ちに車を購入できることを応援しています!
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